・議事録ってどうやって書けばいいの?
・議事録を書けない理由って何?
・議事録の書き方フォーマットが欲しい!
- 「会話が早すぎて、議事録作成についていけない」
- 「大事なところを聞き逃している」
- 「文章がまとまっていないため、読みにくく、やり直しを命じられる」
- 「毎回、どのように議事録を書けばいいのか型が決まっていない」
議事録を任されていると、こんな悩みに直面することって多いですよね。
議事録が書けないと、話を正確に残せず、会議内容を伝達できなかったり、後日提案書を書く時も困ります。
こんな悩みを抱える人に向けて今回は【議事録の書き方】とテンプレートを紹介していきます。
本記事を読むことで、確実に議事録の書き方や、書き方のフォーマットの活用をマスターできます。
議事録が書けるようになると、営業時に会話内容を理解・整理できて正しくソリューションを提供することで受注角度が飛躍的に上がります。
また社内での仕事もスムーズに進むようになりますし、凡ミスや認識の不一致も減ります。
議事録の書き方をマスターして、会議の議事録や、MTG内容を正確に記録できる自分を目指しましょう!
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- 20代前半で社会人20代で身につけるべきビジネススキル30選を身につけることで社会人としての土台ができ、専門的な仕事をするときのスピードやクオリティが爆上がりします。
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この記事を書いている僕は30代で、現役戦略コンサルタントとして10年働いています。
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1.議事録とは?
議事録(ぎじろく)、会議録(かいぎろく)とは、会議の内容の文字による記録である。
引用元:Wikipedia
議事録とはわかりやすく言うと、会議やMTG内容を文字によって記録することですね。
昔はノートでの議事録が主流でしたが、近年ではPCを使った議事録が主流になっています。
2.『議事録の目的』を4つで解説する
議事録を書く目的は主に4つあります。
- 備忘録
- 会社の公式用の記録
- 思考整理
- アウトプット要因
特に以下のような場面で活用します。
- 会議に出席できなかった人が、後日閲覧する時
- 顧客への定期訪問(時間を数か月空けて訪問)の時
- 2-3週間後の提案など期間が空いて、前の訪問記録について確認したい時
具体的に使用する場面についてお伝えしていきます。
2.1.備忘録
まず最初に議事録は備忘録として活用します。
なぜなら会議の内容をずっと覚えておくことは不可能だからです。
会議では数時間におよぶMTGが行われますが、長時間に及ぶ内容を覚えておくことはできません。そのため、文字に残して保管しておくことで、再度必要なタイミングで記事を見直すことが可能になります。
また営業では顧客への定期訪問(時間を数か月空けて訪問)がありますが、議事録を取っておけば前回のMTG内容を確認することが可能です。
それ以外にも定期訪問時や、先方への提案が2-3週間など先になる場合に効果を発揮します。また、クライアントの海外出張に同行する場合も必須のスキルになります。
議事録をとっていなければ、クライアントから急なタイミングで要求が来た際に「何の話をしていたんだっけ」ということになってしまいます。
瞬時に「何月何日にお話させていただいていた●●の案件ですね」と、相手の案件を覚えておくと先方からの評価も勝ち取ることができます。
2.2.会社の公式用記録
会社の公式議事録では、会社のメンバーがいつでも議事録を見直して現状の売上や、決定事項を確認できるために必要です。
なぜなら、会社の発言を残しておくことで責任の所在を明確にしたり、目標を再確認することで、目標達成に向けて着実にアクションすることができるからです。
長時間におよぶ会議も多いと思いますので、議題をきちんと記載しながら、各議題ごとに簡潔にわかりやすく記載しておく必要があります。
2.3.理解と思考整理に活用
議事録は単にメモを取って暗記をするものではありません。議事録は話を正確に理解し、思考を整理するためにあります。
なぜなら、論点についてメモをして、論点を把握しながらメモを取ることで脳に情報が入りやすくなるからです。
メモを取らずに話を聞き続けても、絶対に情報が抜け漏れてしまいます。
だからこそ、メモを取りながら『何について話をしているか』を理解し、情報を分けたり整理することで理解を促すことができるのです。
2.4.アウトプット要因
議事録の最大の目的は、会議でで確認した内容を整理することでアイデアや提案を行うことです。
議事録をただ書いているだけでは全く意味がなく、アウトプットに活かしてこそ意味があることを強く理解しておきましょう。
具体的には、面会時で書いた議事録をもと
- 議事録を元に、提案書を書く
- 議事録を元に、新規事業のアイデアを出す
- 議事録を元に、次回MTGまでの準備や必要情報を洗い出す
全ての議事録は『アウトプットのためにある」ことを覚えておきましょう。
3.議事録が苦手な理由
次に、議事録が苦手な理由について書いていこうと思います。
議事録が苦手な理由は大きく3つあります。順に説明していきます。
- 議事録の書き方を習っていない
- 何の話をしようとしているか理解できない
- 会話の全てをベタ打ちで入力しようとしてしまう
3.1.議事録の書き方を習っていない
議事録のが苦手な理由は、学生もしくは社会人のあなたは「議事録の書き方」を学校では習っていないからです。
思い起こせば、小・中・高・大学など、学生時代にどのように議事録やノートを取ればいいかを教えてくれる人はいません。
そんな中で何のレクチャーもなく、議事録を書けといわれてもそれは無理な話なのです。
だから今現状議事録が書けなくても全く心配はありません。取り方を知り、少しずつ議事録が書けるようになっていけばいいのです。
議事録には重要なポイントがありますし、取り方ももちろんあります。きちんと伝えるべき内容について習っていない限り議事録作成を行うことは難しい事であることを覚えておきましょう。
以下の本は僕が学生時代に出会いたかった本です。
3.2.何の話をしているのか理解できない
次に議事録作成の苦手な人はそもそも「今何の話をしているか」ということを理解していない人が多いです。
話を理解できないと、もちろん議事録が書けません。話の文脈を理解していない限り頭の中に話が入ってきませんので、議事録を入力することが難しいです。
まずは会話を理解するための型を身につけましょう。
話が理解できない理由は『わかったつもり~読解力がない本当の原因』という本でめちゃくちゃ詳しく書かれています。
3.3.会話の全てを入力しようとする
僕もそうだったのですが、聞き漏れがないと非常にまずいと思い、会話の内容をとにかくベタ打ちで全部入力する人は議事録が書けません。
なぜなら、自分の頭の中で会話の内容を整理しないまま、ただ文章を打ち込んでいるだけだからです。
途中で自分の知らない内容になった場合に、何の話をしているのかわからなり、後から自分の議事録を見返しても、意味が分からなくなったり、重要な部分が抜けるからです。
最初のうちは、録音した内容をすべて打ち込むことも練習にはなりますが、最終的には、必要な部分だけ簡潔に書き残すことが必要になるでしょう。
4.議事録の書き方の『8つのポイント』
議事録の書き方の重要なポイントは以下の4つです。
- 内容は冗長にならない
- テーマ・タイトルが一目でわかる
- クライアント情報および課題が網羅的に記載されている
- 決定事項・次回アクションについて記載されている
- 5W1Hで議事録を書く
- 内容ごとに大・中・小テーマを書く
- です・ます調を無くす
- 結論を最初に書く
4.1.内容は冗長にならないようにする
まず意識すべきは、文章が上長にならないことです。なぜなら読み手が文章が上長だと本文を理解するときに困るからです。
ポイントは以下2点です。
- 「~としては」「~ということ」「ですます調」など省ける部分は省く。
- 体言止めを意識した文章校正を行うことです。
≪Aチーム報告≫
✖:Aチームの今月の売上は1000円でした。
●:今月売上:1000万円
大切なのは『自分が読み手だった場合にわかりやすい議事録になっているか』です。省ける文章はどんどん省いてわかりやすい議事録を心がけましょう。
4.2.何について書いてあるか一目でわかる
議事録の書き方のポイントの2つ目は、議事録を見た時に何について書いてあるか一目でわかることです。
なぜなら全メンバーが議事録の冒頭を見た時に「何の話をしているか」理解できないといけないからです。
前職でも現職でも、後輩の議事録を見ていると、いきなり本文から書き始めている人が多く見受けられるのですが、そもそも何の話をしているか議題がかかれていなければ、読み手は頭に話が入ってきませんので、議題は必ず入れるようにしましょう。例えば、
- 「Aチームは訪問件数2倍を目標を目指す」
- 「Bチームは重点クライアントの既存展開を目指す」
と書いてあっても、何の話をしているかわかりませんよね?一方で以下のように、
- 【2020年1月目標達成に向けた各チームの施策】
①Aチームは訪問件数2倍を目標を目指す
②Bチームは重点クライアントの既存展開を目指す
と議題を冒頭に一言書いてあげるだけで、文章がすっと入ってくると思います。
読み手のことを考えて、冒頭に議題を書き込むようにしましょう
4.3.情報と課題が網羅的に記載されている
3つ目のポイントは情報と課題が網羅的に記載されていることです。
新入社員でよくあるのが『この情報はいらないだろう』と自分で判断して、必要な会話部分を削除してしまうことです。
あなたにとっては不要なことでも、役員・上司・部下からすると必要なこともあるかもしれません。
議事録の重要な点は、冒頭でもお伝えした「アウトプットに活かす」ことですが、
- 次回のMTGに向けた必要情報
- 各部門の発言や改善点
- 営業の場合は、クライアント・部署の基本情報
- 営業の場合は、現状抱えている課題
などを漏れなくヒアリングできなければアウトプットが効果的にできませんので、丁寧にヒアリング後、議事録に書き込むようにしましょう。
- また必要項目は、先輩やこれまでの営業メンバーの議事録を参考にしながら「こんな情報があれば営業時に活用できるな」ということを整理しておくようにしましょう。
4.4.「決定事項・次回アクションについて記載されている」
最後に、議事録を見たときに「決定事項・次回アクションについて記載されている」ことが重要です。
- 何が決定して、今後の判断に影響するのか
- 次回どのようなアクションをとるのか?
- 次回MTG日はいつか?それまでに宿題はあるか?
の記載があれば、今後の展開についても議事録を見ただけで理解できます。
次回は何をすべきか?その理由は何かを忘れずに書いておきましょう。
4.5.5W1Hで議事録を書く
基本的に議事録作成時に重要な内容は「5W1H」に集約されます。
- 誰が(Who)
- いつ(When)
- どこで(Where)
- 何を(What)
- なぜ(Why)
- どのように(How)行ったのかを記載することで必要なことが網羅されていきますので、頭の片隅に入れておくようにしましょう。
【基本的な会議の場合】
*日時
(会議がいつ行われたのか思い出せるように/社内で検索しやすいように)
*場所
(会議室の確認/どの拠点で会議を行ったのか思い出すため※そこまで重要度高くない)
*出席者
(誰が出席したのか※自社の参加メンバーはもちろんの事、先方の担当者も必ず「部署名・役職・名前・その人の特徴も記載しておくこと)
※上司は色々な人に会うため結構先方の担当者の名前や特徴を忘れていることが多い。
*テーマ
(何について話をするのか、何の目的で話をするのか)
*議事録
(聞いて言った内容をどんどん書いていきます)
*決定事項
(MTGや会議で決定されたことを書きます。決定事項については社内共有必須のため、漏れの無いようにしましょう)
*次回予定
(次回までの宿題、取り組むべき内容)といった内容になります。
4.6.内容ごとに大・中・小テーマを入れる
あるテーマについて書いていくときは、大テーマ・中テーマ・小テーマ=詳細内容に分けてわかりやすく書いていきます。
3段階で話を細分化していくことにより、自分の思考がよりクリアになるからです。
ポイントは大テーマの情報の方が粒度が大きくなるように書くことです。いかにテンプレートを置いておきます。
例えば営業会議の議事録をとる場合は
–【営業報告について】※大テーマ——————
■Aチーム(中テーマ) 売上●●万/達成率●%
(小テーマ=詳細内容)
≪Aさん≫・・・
≪Bさん≫・・・
■Bチーム(中テーマ) 売上●●万/達成率●%
(小テーマ=詳細内容)
≪Aさん≫・・・
≪Bさん≫・・・
■Cチーム(中テーマ) 売上●●万/達成率●%
(小テーマ=詳細内容)
≪Aさん≫・・・
≪Bさん≫・・・
————————————————–
上記のように分けていくことでわかりやすい文章になっていきます。
何回も議事録をとっていると気付くのですが、基本的に話の内容は『大テーマ・中テーマ・小テーマ』で分けることが可能です。
いつも3段階で、話の内容を分けられることを覚えておけば、思考整理も簡単になるので、まず頭の中で、話を大テーマ・中テーマ・小テーマに分けることを意識しましょう。
4.7.です・ます調を無くす
議事録作成はとにかくわかりやすく書くのがポイントとお伝えしました。つまり、文章が冗長になってはいけないということです。
そのため原則、文章は「です」「ます」にならないようにしましょう。
良い例:Aチーム売上:1000万
悪い例:Bチームの売上は1000万円でした。
良い例と悪い例を比べてみると、数文字ですが悪い例の方が長い文章になっています。
このような文章が重なると、全体で見た時に文字数に非常に差が出てしまうので、体言止めを活用するなどして、削れる文章は削るようにしましょう。
4.8.結論を最初に書く
最後には「結論を最初に書く」ことです。結論を最初に書くと「相手に1番知ってもらいたいことを知ってもらえる」からです。
また「1番重要な伝えたいこと」が頭にまず紐づくため、その後にかれた文章の理解度も格段に高まるのものポイントです。
基本的に議事録を読む方々は出張などが忙しい上司のケースが多く、肝心なことをまず最初に書いておかなければ「結局言いたいことは何なんだ」と怒られてしまいますので気をつけましょう。
逆に言えば、簡潔に伝えたい要点だけを書いている場合、「お、この子は議事録の取り方をよくわかっているな」と好印象を持ってもらえますので、議事録に関しては、重要なことは最初に書くようにしましょう。
議事録は最初に伝えた通り、わかりやすく書くことが重要です。
5.議事録の書き方_営業編
ここまで「議事録の目的」と「議事録作成が苦手な理由」『議事録の書き方テンプレート』をご紹介しましたが、ここからは営業時の議事録の書き方をご紹介します。
5.1.日時
日時については、商談がいつ行われたのか思い出せるように記載しておきます。
また、社内で共有フォルダやセールスフォースを使用する際に、議事録を検索しやすいように記載しておきます。
5.2.場所
場所については会議室(東京・大阪など)の確認どの拠点で会議を行ったのか思い出すために記載をしますがそこまで重要度高くないでしょう。
5.3.出席者
議事録には誰が出席したのかを必ず書いておく必要があります。
自社の参加メンバーはもちろんの事、先方の担当者も必ず「部署名・役職・名前・その人の特徴も記載しておくことが大切です。
心当たりがある人もいると思いますが、上司は色々な人に会うため、結構先方の担当者の名前や特徴を忘れていることが多いです。
お会いした方をしっかり思い出せるようにしておきましょう。
5.4.面会のテーマ・内容
議事録を作成するときは、何について何の目的で話をするのか、題名をノートやPCの一番上に記載するようにしましょう。
僕の中ではテーマを記載することは議事録の中でも最もといってもいいくらい重要な要素です。
まず、自分がノートを見返すときにこの「テーマ」がノートの一番上に書かれていないと、何の話をしていたのかを思い出すことが非常に困難になります。
また、上司があなたの議事録を見るときも、このテーマ・題名がノートに記載されていないと、上司は議事録の内容を把握する事が非常に難しくなり、余計な体力を使わせてしまいます。
議事録を書き終えた後は、その議事録の題名が何なのかを確認する癖をつけましょう。
5.5.具体的な確認項目
ここからは、実際に聞いていくべき確認内容をどんどん書いていきます。
それぞれの項目をなぜ確認しなければならないのかを理解しながら、ヒアリングと議事録作成を行う必要があります。
5.5.1.事業内容
まず最初に、先方の会社ではどのような事業を行っているのかを確認します。
私の場合は上場企業に訪問をする時は必ずIRライブラリーの中の「決算報告書」「決算説明会資料」を読みます。
これらを読むことで、訪問する会社の業績が好調なのか不振なのか、どんな製品を取り扱っていて、注力事業は何なのか、注力エリアはどこなのか大まかな現状や課題について把握することができます。
5.5.2.担当者の部署の役割
次に先方の部署・合っている担当者はどんな役割の仕事をしているのかを確認します。
この担当社の部署の役割を確認することで、その部署が自分の営業対象なのかを把握します。
5.5.3.取扱製品
次に、先方の会社がどんな製品を取り扱っているのかを確認することで、クライアントが一番販売したい「注力商品」を把握することができます。
なぜ取扱製品の確認をするのが良いかというと、大体、企業の悩みというのは、取り扱っている注力製品を「どうすればもっと売れるのか」「安く作れるのか」の2点になるからです。
取扱製品を理解しておくことで、クライアントの課題解決に非常に近づくことができるので、必ず注力製品は確認しておくようにしましょう。
5.5.4.主要顧客
次にお客様の製品の主要なお客を確認します。
クライアントの主要顧客を確認することで、先方の顧客層や流通経路、マーケティング方法などを推測することができます。
例えば、ある自動車の部品メーカーの顧客が自動車メーカーだった場合
- 「部品は汎用品が多くコスト勝負になるので、海外の生産委託先を探すのがポイント」だな
- 「他の会社には作れない高品質の部品の開発がポイント」になるとかいろいろなアイデアが出てきます。クライアントのエンドクライアントを確認しながら、先方の課題を把握できるような癖を常につけておきましょう。
5.5.5.競合企業
クライアントの競合状況を確認しておくことは、あなたが提案するときに非常に重要なヒントを与えてくれます。
競争環境を把握しておくことで、クライアントの戦略をどのような方向に向かわせていけばいいのか戦略を立てることが可能になります。
クライアントの競合企業がどのような商品を取り扱っているのか、価格はいくらくらいなのか、拠点はどこになぜ会って、どのような営業戦略をとっているかなどを把握することができます。事前に準備しながら当日も競合環境についてはヒアリングとメモをすることにしましょう。
これはお客様にあえて聞くと不信感が出る可能性があるので注意が必要です
5.5.6.注力エリア
顧客の注力エリアを確認することも非常に重要になります。
エリアは、国内かそれとも海外のどちらに注力しているのか?海外に注力している場合、どの国、都市で事業を展開しようとしているのかなどを確認することです。
エリアを確認することで、顧客が一般的な海外戦略について事前に把握する事が可能になり、提案時に役立ちます。
エリアについての理解が高まることで、下記仮説を立てることができるようになります。
- 中国でビジネスをする場合は人脈ビジネスなので、現地の総経理とどのようにコネクションを取る
- 東南アジアでビジネスを行う場合は価格勝負になることが多いので、どのように価格設定を行い、付加価値を出せるようなマーケティングをしていくのか
5.5.7.具体的な課題
次に、クライアントが実際に何に困っているのかを確認していきます。そして、その中でも一番困っていることは何なのかを整理していきます。
なぜなら課題を正しく確認しなければ、問題解決は絶対にできないからです。
議事録を取るときに重要なのはクライアントの表面的な言葉に惑わされない事です。
クライアント自身も自分たちの本当の課題が何なのかをわかっていない場合が多いので、
- なぜ、その課題が課題だと思われているんですかとか
- いくつかある課題の中でその課題の優先度が一番高い理由は何ですか
などの課題背景を深掘りする質問を必ず投げかけるようにしましょう。
5.5.8.決済権の有無
可能であれば、話している担当者が決済権を持っているのかは確認しておいた方が良いでしょう。
商談がたとえ盛り上がっても、決済権がなかったり、先方の上司に再度訪問をする必要があれば、今回の商談にはあまり力を入れる必要がない可能性があります。
無駄な労力をかけずに済む場合も多くありますので、決済権の有無は事前に確認することをおすすめします。
5.5.9.予算感
先方のマーケティングやコンサルティングや調査、部品購入に使える予算はいくらかは必ず事前に確認する必要があります。
お客様の予算感を理解しないまま営業をしてしまうと、無駄な工数をかけてしまう可能性があるからです。
たとえば予算が100マン円しかない企業に対して1000万円の提案をしても徒労に終わってしまう可能性が高いです。
適切な顧客に適切な提案を行うためにも、予算感を確認しあなた自身がお客様を選べるようになりましょう。
5.5.10.納期
いつまでに納品物を納品すればよいのかもプロジェクトを運営するにあたっては必要な要素になります。
納期を確認する理由は、納期が短かったりするとあなたの首を絞めることになりますし、社内のリソースも借りる必要があるためです。
他にも、先方の予算消化の時期に営業を行い、決算期までに納品することができれば先方も予算を使い切りたいことから受注につながる可能性が高くなるために、納期は必ず確認する必要があります。
5.5.11.決定事項と次回予定
営業が終盤に近付いてきたら、決定事項と次回予定について議事録を書きます。
決定事項については社内共有必須のため、漏れの無いようにしましょう。
※補足になりますが、私の場合は面会時に次回面会日時も決定してしまいます。
私の周りの優秀な営業マンは、営業の流れが見えているため、その日のうちに次回の面会予定を必ず押さえるようにしています。
優秀なクリニックなども必ず次回の予定を押さえますよね。それと全く同じ原理です。
6.議事録の書き方の5STEPとテンプレート
最後に議事録の書き方の5STEPとテンプレーとについてお伝えします。
僕もそうでしたが、以下を読めば議事録作成が苦手な人でも議事録をかけるようになりますので、参考にしてみてください。
6.1.議事録の書き方STEP1:録音の準備をしておく
録音は必須です。なぜなら聞き漏らした部分を再度聞き返すことができるからです。
会議中の内容を聞き漏らしてしまった時に、周りの人に聞くのは気が引けますし、そういった心配をしなくてもよいように、必ず録音はするようにしましょう。
録音を行う際は、もしiPhoneの場合は「機内モード」に設定するようにしましょう。そうすることで、急な電話やメールが届いてしまい、録音が中断することを避けることができます。
6.2.議事録の書き方STEP2:テーマを予測し、事前にメモの準備をしておく
事前に会議で何が話されるかを予測して、メモの準備をしておきましょう。
なぜなら会話は時としてかなりのスピードで行われるため、タイピングでも間に合わない場合があるからです。
何の話をしているか『テーマ』をいちいちパソコンに打ち込んでいると肝心の内容を聞き漏らす可能性があります。
そういった失敗を避けるために、議事録を作成するときは、予めは無しの内容を予測して事前にテンプレートを用意しておきましょう。事前に準備をしておくことで、あるテーマの内容の話になったときに、事前に入力していた部分スムーズに会話内容を入力することができます。
例えば、以下のような形でテンプレートを作っておきます。
—————————————————-
190503_全体会議議事録
【前段内容】
*日時
*場所
*出席者
*テーマ
*実際の議事録
*決定事項
*次回予定
【社長からのメッセージ】
あああ
いいい
【各チーム売上報告】
*Aチーム
*Bチーム
*Cチーム
—————————————————-
このように議事録の準備を行うことで、事前に話の内容を推測しながら議事録を取れるため、議事録のスピードも正確性も上がっていくので試してみてください。
6.3.議事録の書き方STEP3:何の話をしているのかを把握する
会話を理解するために必要なのは「何の話をしているのか」という文脈を理解することです。
繰り返しますが「そもそも何の話をしているのか」を理解することができなければ、絶対に議事録は書けません。
- 「今は、社長が全社の戦略について話をしているんだな」
- 「今は、新規事業部長の●●さんが新事業のアイデアについて話しているんだな」
ということを理解したうえで、議事録作成に取り組むようにしましょう。
議事録には、以下のように書いていきます。
—————————————————-
【社長からのメッセージ】
■全社戦略について
*2019年は海外事業戦略について
注力 ・エリアに関しては東南アジアの「タイ」「インドネシア」「フィリピン」
理由は、人口がある程度担保され、今後の人口推移も上昇傾向にあるため。
—————————————————-
何の話をしているのかを理解することができれば、どんどん下位段落に話に関する情報を入れていきましょう。
6.4.議事録の書き方STEP4:大きな情報から小さな情報の順に書く・せいりする
「大きな情報から小さな情報の順番」に議事録が書く・整理することも、議事録には欠かせません。
上の社長のメッセージの場合
「社長のメッセージ」
⇛「全社戦略」
⇛「全社戦略の中の海外事業戦略」「海外事業戦略の注力エリア」といった形で情報がどんどん細分化されて、小さくなっているのが分かります。
この「大きな情報から小さな情報の順番に議事録を書く」感覚を身につけなければ、頭の中で情報を整理することができていない証拠です。
「情報の粒度」とお伝えするケースが多いのですが、情報の大きさを区別して頭にしまい込まないと、頭の中から情報を引き出すことが難しいです。
そのため、最初は難しいかもしれませんが、必ず「情報の大きな順から議事録を書く」ということは意識するようにしてください。
6.5.議事録の書き方STEP5:違う話は別の場所にメモする
会議の中で議題について、議論がされていればよいのですが、実際に会議中に話が脱線することがよくあります。
議事録の担当者は、議論の内容がずれていることをいち早く察知して、別テーマとしてメモを取らなければなりません。
たとえば「君たちの売上が悪いのは、マーケティングができていないからだよ!そもそも人材の採用はどうなっているのかね?」といった議論がされたとします。
こういった場合は、以下のように書いていく必要があります。
—————————————————-
【各チームの売上報告】
■Aチーム:1000万円の目標に対して500万円(50%ショート)
<原因>
*マーケティング的視点 TOP20%の重点顧客に対して営業ができていなかった
(マーケティング課題についてのメモを取る)
*人材の採用
採用予定人数がそもそも満たせていないため、営業人数が足りていない現状。
(採用課題に関するメモを取る)
—————————————————-
議事録を取る際は、「今は議題に沿った話をしている」「今、別の話に内容が移ったな」といったことを区別して把握できるようになりましょう。
7.まとめ:議事録は人生を変える必須スキルである
ここまで『議事録の書き方』について書きましたがいかがだったでしょうか?
本記事の内容を繰り返し取り組むことで、必ず議事録の書き方をマスターすることができます。
何度も言いますが、議事録をとれるようになると本当にいい事ばかりです。たとえば、以下のようなメリットがあります。
議事録のメリット
- 会議の内容をすんなり理解できる
- 思考を整理することができる
- 営業時に相手の情報を正確に把握することができ、適切なソリューションをとることができる
- 企業に再訪問する際に、前回の面会内容を振り返ることができる
私が見る限り、やはり頭の良い人は議事録の整理の仕方が非常にきれいです。情報の粒度も適切で、頭の中にすーっと入ってくるような議事録の取り方をしています。
逆に議事録が書けていない人は、情報を頭の中で整理することができていないため、何を書いているのかさっぱりわかりません。本当に読むのが疲れます。
営業観点からお話をすると、営業成績も議事録と関連していて、もちろん営業成績がいいのは、きちんと話を聞けて、相手が求めているものを理解している人です。
様々な場面でメリットを享受するためにも、議事録を書けるようになることはビジネスにおいて必須ですので、議事録は決しておろそかにしてはならないビジネススキルということをきちんと理解しておきましょう。
あなたがこの記事を読んで、少しでも議事録に対する不安がなくなり、営業活動に活かすことができる議事録作成ができるようになれば私としても本当にうれしい限りです。
【書く技術・伝える技術】
ビジネスパーソンをターゲットに書く技術・伝える技術を習得させることを目的にした本で最終的には読み手に「読ませない」文章を書けるようになるための7つの法則について教えてくれています。
【超・箇条書き】
①構造化②物語化③メッセージ化の重要性について説き、箇条書きの重要なメリットについて教えてくれています。
【伝わる文章が「速く」「思い通り」に書ける87の法則】
本日は以上です。
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